【取材】アブロードインターナショナルスクール大阪|IB一貫教育の全貌をご紹介
大阪市生野区にある「アブロードインターナショナルスクール大阪(Abroad International School Osaka)」のアリ・カラ校長にインタビューを実施しました。
大阪でインターナショナルスクールを探している保護者の方に、こんな疑問はないでしょうか。
「英語が全くできないけど、入れるの?」
「日本語はどうなるの?」
「学費って実際いくらかかるの?」
調べれば調べるほど選択肢は広がるのに、肝心なところがよくわからない。そんな声をよく耳にします。
今回、SchoolFitでは大阪市生野区にある「アブロードインターナショナルスクール大阪(Abroad International School Osaka)」のアリ・カラ校長にインタビューを実施しました。
同校は、国際バカロレア(IB)の認定を受けた一貫校として、1歳児から高校3年生相当まで、同じ理念のもとで学べる環境を整えています。
2026年8月にはDP(高等部)がスタートし、大阪市内で2番目のIB一貫教育校となります。
英語サポートの仕組み、日本語教育の実情、年間カレンダー、学費、卒業後の進路まで、保護者が知りたいことをひとつひとつ聞いていきました。
まず、学校の成り立ちと校長先生ご自身のことを教えてください

私はアリ・カラと申します。
日本に来て25年以上になります。最初は東北大学への留学で宮城に来て、大学院を修了した後、2005年からずっとインターナショナルスクールの教育に携わっています。
仙台、大阪、名古屋、東京といろいろな街を回りながら、先生として、そして管理職として経験を積んできました。
アブロードインターナショナルスクールは、もともとランゲージスクールとして始まったんです。
英語を中心に、当時は13カ国語を教えていました。子ども向けの英会話も人気で、「日本にもこういうインターナショナルスクールが必要じゃないか」というアイデアから、インターナショナルスクールの幼稚部を開設しました。
その後、保護者の声に応える形で小学部、中学部も新設。そして2019年に、IB(国際バカロレア)PYPの認定校になりました。2024年にはMYP、2025年にはDPの認定校となり、今年(2026年)の8月にいよいよDP(高等部)が始まります。先生も生徒も、みんなワクワクしています。
IB一貫校とは、具体的にどういう学校なのでしょうか?
IBのプログラムは、年齢に応じて分かれています。
3歳から12歳(幼稚部〜小学5年生相当)が「PYP(Primary Years Programme)」、11歳から16歳(小学6年生〜高校1年生相当)が「MYP(Middle Years Programme)」、そして16歳から19歳(高校2〜3年生相当)が「DP(Diploma Programme)」です。
学校のシステムとして、これらの認定を全て同時期に取ることはまずできません。
それぞれ別々な準備が必要で、認定を取るのにとても時間がかかります。当校では今年の8月にDPが始まることで、幼稚部から高等学部まで一貫してIB教育を受けることができる「IB Continuum School(IB一貫教育校)」になります。
大阪市内で IB一貫教育校になるのは、うちが2番目です。
一貫校になることの意味は大きいと思っています。同じ理念のもとで、幼稚部から高校まで学べる。子どもが成長するにつれて、学び方の軸がぶれない。それが当校の一番の強みだと思っています。
どんな生徒が多いですか?日本人の比率も教えてください。

今、全校で約210名の生徒が在籍しています。
今のキャンパスに移ってからどんどん増えていて、DPが始まることでさらに増える予定です。
日本人の比率は、最新のデータで47.5%。残りは25カ国の生徒たちで構成されています。
海外から仕事で来日した家庭もいれば、大阪に定住している外国籍の家庭、大阪市内で学校を変えてきた家庭など、本当にいろいろです。
英語が全く話せない子どもでも入学できますか?
これは、よく聞かれる質問です。
うちには「EAL(English as an Additional Language)」というプログラムがあります。英語を母国語としない生徒の英語力を伸ばすためのサポートです。
入学してくるお子さんの中には、英語のレベルがその学年に合わない方も結構いらっしゃいますから、そういう場合、クラスに空きがあれば、EALサポートを受けることができます。
サポートの形は2種類あります。
一つは「プルアウトサポート」といって、クラスから離れて、1対1や少人数で先生と英語を勉強する時間を設けるもの。もう一つは「プッシュインサポート」といって、通常の授業の中にサポート専門の先生が入って、そのお子さんを個別にフォローするものです。
英語力の測定には、国際的に認められている「WIDA」というテストシステムを使っています。学期(ターム)ごとにテストを行って、クラスのレベルに追いついたと確認できたら、サポートから外れることもできます。
ただ、「英語ゼロでも入れるか」という点については、正直に言います。
小学校の低学年(1〜3年生)であれば、若いほど言語を吸収する力があるので、受け入れの可能性があります。ただし、英語力だけでなく、数学など他の教科での学力も見ています。自分の言語でちゃんと勉強できるお子さんなのか、という点が重要です。
一方、中学校から英語ゼロで入学するのは、かなり難しいのが現実です。
今まで経験の中で、英語ゼロで中学から入って、今は慶應や国際基督教大学(ICU)に進学した子もいましたが、本当に特別に優秀で、勉強への意欲も非常に高い子でした。
基本的には、中学校からの場合はある程度の英語力が必要です。
日本語の教育はどうでしょう。漢字なども勉強しますか?

はい、日本語の授業もちゃんとあります。
レベルに応じてクラスが分かれています。
Aクラスは、日本の学校で使うのと同じ教科書を使用します。漢字も勉強します。外国籍の方で日本語がほぼゼロという場合は、Bクラスで基礎から学んでいきます。
ただ、正直に言うと、日本語を使用するのは日本語の授業の時間だけなので、普通の日本の学校に行くのと比べると、日本語のレベルは少し下がっていくとは思います。そのため、家庭で公文式に通わせるなど、独自にサポートしている保護者の方も多いです。
中学部では日本語のレベルが1〜6に細かく分かれていて、それぞれのレベルで学んでいきます。
そして、DPを修了する際、日本語と英語の両方で一定の基準を満たせば「バイリンガル・ディプロマ」を取得することができます。私の息子もバイリンガル・ディプロマを持っています。
年間のカレンダーと、1日の流れを教えてください。
まず年間カレンダーについてですが、今年から「8月開始」に変わりました。
以前は日本の学校と同じ「4月開始・3月終わり」だったんですが、保護者の方々の意見も聞きながら変えることにしました。
理由は2つあります。一つは、DPの試験が年2回あって、4月始まりだと試験準備の期間が短くなってしまうこと。もう一つは、英語プログラムを持つ国内外の大学の多くが「9月入学」を採用していて、3月に卒業すると半年間の空白ができてしまうことです。夏休みの方が長くなるので、その点でも保護者から好評でした。
1日の流れは、小学部の場合、朝8時30分から15時15分まで授業があります。その後、15時25分から16時05分まではクラブ活動の時間です。サッカーや体育系のクラブ、アートなど、いろいろ選べます。当校の先生が担当するものもあれば、外部からコーチが来るものもあります。
共働きの家庭向けに、早朝預かり(8:00〜8:30)と放課後預かり(15:30〜18:00)もあります。
1歳から通えると聞きましたが、本当ですか?
そうなんです。うちには1歳児のクラスがあります。これは他のインターナショナルスクールと違うところかもしれません。
1歳の子はまだ母国語も話せない状態ですが、1日中英語の環境にいることで、自然に英語を覚えていきます。本当に早いです。
私自身も2人の子どもをこの環境で育てましたが、気づいたら英語で話すようになっていました。私はトルコ出身で、妻は日本人なんですが、子どもたちはトルコ語、英語、日本語を普通に話せます。自然にそれが学べるというのは、本当に素晴らしいことだと思います。
1〜2歳クラスは、午後に昼寝(nap time)の時間があります。勉強というよりは、まず学校が好きになること、友達ができること、そこから始まります。

学費について、保護者が事前に把握しておくべきことを教えてください
費用については、ホームページの「料金」ページに2026-27年度の詳細を掲載していますので、そちらも確認していただければと思います。
大まかにお伝えすると、入学時に一回だけかかる費用として、出願料3万円、入学費25万円、修繕積立金25万円があります。
年間の授業料は、小学部で180万円、中等部で195万円です。これに加えて、維持費が年間30万円かかります。幼児教育部(プリスクール〜キンダー)は年間155万円です。
EALサポートが必要な場合は、1学期あたり15万円が加算されます。
兄弟姉妹が在籍している場合は割引があります。2人目は10%、3人目以降は20%の割引です。
また、幼児教育(満3〜5歳クラス)については、認可外保育施設として市に登録していますので、条件を満たせば国の「幼児教育・保育の無償化」の対象になります。これはインターナショナルスクールとしては大きなプラスだと思います。
卒業後の進路はどうなりますか?IB資格を取ると何が変わりますか?
大阪校はDPが今年から始まるので、DP修了生が出るのはこれからです。
ただ、私自身がDPの学校で校長を経験していますし、アブロードのネットワーク校ではすでにDP卒業生が出ています。
IBのディプロマを取得すると、世界に対して非常にオープンになります。
世界のほとんどの大学、特に英語で教えるプログラムを持つ大学はIBを認めていて、直接申請して入学することが可能です。私の経験では、卒業生の半分は海外の大学へ、もう半分は日本の大学へ進学します。
私の息子も今年、ベルリンの大学に進学します。IBの卒業生として直接入学できました。自分がお父さんとしても経験しているので、これは本当に広がるということを実感しています。
日本国内でも、文部科学省がIBを大学入学資格として認めています。
大阪大学や立命館大学など、IB資格を活用して受験できる大学が増えていますし、英語でエンジニアリングを学べるプログラムなども始まっています。IBのウェブサイトには「IB Recognition Database」というページがあって、IB資格で受験できる大学の一覧が確認できますので、ぜひ見てみてください。
これまでの大阪校の卒業生(中学部まで)は、公立や私立の高校に進学していました。すでに大学生になっている卒業生もいますし、うちの図書館でアシスタントをしてくれている卒業生もいます。

IB教育を受けた子と、日本の公立校を卒業した子では、何が違うと思いますか?
日本の教育にも素晴らしいところはたくさんあります。海外で日本の教育方法を取り入れる国もあるくらいです。その上でIBの違いを挙げるとすれば、まず「探究」を重視している点です。
暗記することではなく、学んだことをどう使うかをとても大事にしています。
これは、社会に出たらすぐにわかると思います。
もう一つは、プレゼンテーション力とコミュニケーション力です。小さい頃からみんなの前に立って発表して、グループワークをする。IB Learner Profileの中に「Communicator(コミュニケーションができる人)」という言葉がありますが、それが本当に身についている。これは全然違うと思います。
あとは「Risk Taker(挑戦する人)」という姿勢も育ちます。失敗を恐れずに新しいことに挑戦する力。これもIB教育の中で自然に培われていくものだと感じています。
編集後記
インタビューを通じて印象的だったのは、アリ・カラ校長が「自分もお父さんとして経験している」と何度も口にしていたこと。
1歳から英語環境に入れた子どもが自然にトルコ語・英語・日本語を話せるようになったこと、息子がIBの資格でベルリンの大学に進学したこと。
校長としての言葉だけでなく、一人の保護者としての実感が言葉の端々に滲んでいました。
「英語ゼロで入れるか」という問いに対して「低学年なら可能性はある。ただ中学校からは難しい」と率直に答えてくれたこと、「日本語のレベルは少し下がっていく」と正直に話してくれたこと。
そういう誠実さが、この学校の雰囲気を表しているように感じます。
インターナショナルスクールは「英語ができる子が行くところ」というイメージを持つ方も多いかもしれません。でも、AIS大阪のEALプログラムや1歳児クラスの存在を知ると、「英語は入ってから育てる場所」でもあるのだと気づかされます。
大阪でIB教育を検討している保護者の方にとって、一度見学に行く価値のある学校だと思います。
学校概要
アブロードインターナショナルスクール大阪(Abroad International School Osaka)
〒544-0023 大阪府大阪市生野区林寺2-14-3
電話:06-6716-3381